早稲田大学創造理工学部 経営システム工学科
経営システム工学研究室 写真

経営システム工学専攻 学部4年
大野研究室

阿部 誠也

ABE Masaya

2016年度インタビュー

コンビニへの来店回数と
プライベートブランド購入との関係は?

Q 研究のテーマと内容を教えてください。
所属している大野研究室の研究テーマには、マーケティング、医療経営マネジメント、ファイナンス等があるのですが、僕はマーケティングについて研究しています。
そのなかで、着目したのがプライベートブランドです。最近、コンビニやスーパーがプライベートブランドを積極的に販売していますが、これが客の来店回数などにどう関係するのかを調べています。

Q そのようなテーマを選んだきっかけは?
大野研究室のマーケティング部門は、研究テーマを自分で決めます。ゼロから好きなことをやっていいのです。ただ、その反面、自分の責任で決めるので、大変な側面もあります。僕もなかなかテーマが決まらなかったのですが、アルバイトがきっかけになりました。
僕はコンビニで働いているのですが、よく来てくれるお客さんほど、プライベートブランドを買ってくれることに気づいたのです。両者の関係がどうなのか、文献やインターネットで調べると、欧米ではこの研究が進んでいることがわかりました。欧米のスーパーや小規模ストアは、90%以上の商品がプライベートブランドというお店が少なくないらしく、プライベートブランドの購買が来店回数を決めるという研究があったのです。

ならば、これまではプライベートブランドが少なかった日本ではどうか。特に、コンビニチェーンという特殊な形態ではどうなのか。その疑問は研究に値するテーマでした。

求められるのは、知識よりも
調査し、観察し、気づく能力


Q どのようにして、調べるのでしょうか。
まず、仮説を立てます。コンビニへの来店回数はどのように決まるのか。そこには様々な要素があるはずです。お客さんの特性(生活形態、家族構成、収入など)や購買傾向(低価格志向、コスパ志向、自然志向など)も影響するし、コンビニ側の商品、価格帯、ブランドイメージも関係するでしょう。もちろん、そのなかにはプライベートブランドの購買頻度も関係するでしょう。プライベートブランドでも、割安をアピールする商品もあれば、高付加価値の商品もあります。その影響も考えなければなりません。
こうして立てた仮説を、次は数式に示します。お客さんの来店回数をYとして、他の要素を x1, x2, x3, …… とし、
y = a x1 + b x2 + c x3 +……
というように示します。
この数式に実際の購買データを入れて、正しいかどうかを調べます。データはリサーチ会社が持つホームスキャンデータ――リサーチ会社のモニターが一年間に購入した商品すべてを家でスキャンしたデータをお借りしました。

Q では、数学の知識を活用するのでしょうか。
たしかに数学の知識は必要です。統計学も活用します。ただ、僕の研究で大切なのは、数式の内容です。どのような要因を入れるのかが鍵になります。先ほど説明したような、コンビニへの来店回数を左右する要因です。
それがわからなければ、数式をつくりようがありません。僕も実際にスーパーやコンビニに行って、商品を見たり、値段やパッケージの差を調べたり、お客さんの傾向を観察したりしました。
ですから、物事を観察する目や考える力がより求められるかもしれませんね。

商学部・経済学部との違いは
数学を使って問題解決を考えるかどうか


Q 研究内容が文系に近いような気がしますが。
高校の時の文理選択ではかなり迷っていて、書類提出の1分前まで、○をつけられませんでした。理系を選択したのは、理系科目が好きだったからですが、文系だったら商学部や経済学部に行こうと思っていたので、近い研究ができてよかったと思っています。
学科選びで経営システム工学科を知った時に、商学部・経済学部とどう違うんだ?と調べたのですが、大まかに言えば、経営システム工学科はビジネスの問題を数学的に解決することを目指していることがわかりました。たとえば、商品の発注量や倉庫の保管量を、数学的に最適解を導くということですね。ですから、理系の中では、最もビジネス寄りであり、実用的な学科だと思います。

Q 最後に受験生にアドバイスをお願いします。
理系の学科ですから数学ができることが大切です。しかし、数学は未知の問題が出たり、解法が思い浮かばなかったりすると答えられない、試験の結果のばらつきが大きい科目です。だから得意な人でも、試験問題によっては点数が低いことがあります。一方、英語はばらつきが少ない科目です。つまり、しっかり対策すれば、それだけ点数が確実に伸びる科目なのです。
そうした科目の特徴も頭に入れつつ、勉強してもらえればうれしいですね。