早稲田大学創造理工学部 経営システム工学科
経営システム工学研究室 写真

経営システム工学専攻
修士2年 蓮池研究室

松村 美波

MATSUMURA Minami

2021年度インタビュー

文系の学問にも興味がある人に おすすめしたい

Q 経営システム工学科に進学した理由は
本当に最後の最後まで悩みました。というのも、高校時代はいろんなことに興味があって、ある大学の法学部も受験したくらい。やりたいことを決めるのは難しかったです。
友達がオープンキャンパスに行くと聞けばついて行ったり、自分でも資料を集めたりしたのですが、ある分野や特定の方向性に絞るのが難しくて、これが面白いなと思ったものはバラバラでした。
そんなふうにあれこれと調べていくうちに、スポーツスケジューリングという技術があるのを知りました。プロスポーツの対戦スケジュールを自動で出す仕組みなのですが、「こんなことができるんだ」と感激して経営工学って良いなと思うようになりました。
それからもかなり悩んだのですが、扱う分野が広く、意思決定やマーケティングのようなある種「文系的」なものも扱えるということで、経営システム工学科に進学することにしました。
実は卒論ではスポーツスケジューリングを題材にしたんです。

Q 卒論の内容を教えてください。
スポーツスケジューリングはその名通り、スポーツの試合日程を数理計画によって決定するもので、世界中で取り組まれています。
私は日本のプロ野球を題材に、観客動員数を最大化することを目的としました。球団によって、例えば火曜日が意外と観客が多いとか、土日が特に多い球団はペアにしたりとか、状況を考慮しつつ、できるだけ不公平感がでないように考えました。
セ・リーグとパ・リーグの両方を分析したのですが、セ・リーグは関東近郊に球団がわりと固まっているのでやりやすかったのですが、パ・リーグはかなりの移動距離になるので、そこもできるだけ不公平にならないよう、考慮しました。
この研究を選んだのは、経シスに進学するきっかけがスポーツスケジューリングだったから。研究テーマを決めるのに悩んでいたときに、蓮池先生に背中を押されたんです。

学生が何をしたいのか、主体的に取り組めるように配慮してくれる

Q 研究テーマは蓮池先生の指示だったのですか?
いえ。研究テーマは完全に自由で、自ら決められます。決めなければならない言えるかもしれませんね。実は、この作業が一番しんどい。
データが使えれば、どんなものでも良いんですが、これがなかなか難しい。やってみたいなと思うテーマというか、関心がみつかってもどうもデータがとれなければ、研究は難しいので、テーマ決めに苦労する人は多いですね。でも、それだけ悩んで自分で決めることによって、研究により身が入るというか、やるしかないという状況を作り出す効果もあると思います。先生がそれを狙ってやっているのかはわかりませんが、学生が何をしたいのか、自主性を持って取り組むために苦心してくださっているのは感じます。
具体的には、すごく詳しく話を聞いてくれるんです。スポーツスケジューリングの話も、何気なく話してみたら、「せっかくやれる環境にいるんだから学生のうちにやってみよう」ということになり、徐々にそちらに傾いていきました。

Q 蓮池研究室を選んだ理由は?
研究内容や研究室の雰囲気、それから先生のお人柄が大きかったですね。あまり否定をしないで、話を受け止めた上で、こちらの興味とかやる気の源泉のようなところ突いてくれるのです。また、コアタイムなどはなく、研究の進捗が出ていれば、わりと自由に進められるのも魅力です。
修了後はコンサルタント会社への就職が決まっているのですが、そこを選んだのも働いている方々の人柄でした。仕事の内容は、ある程度間口が広く、少しでも興味のある分野の仕事であれば、ある程度どのような職業でも自分を満足させられると思うのですが、人やそれにまつわる雰囲気は変えられないと思うんです。
経営システム工学科は扱う分野が多岐に渡っているので、自分の興味に合うものは必ず見つけられるはず。その上で、人や雰囲気を感じるために、自分から情報をとるということを大事にして欲しいなと思いますね。