片山 博

片山 博 教授

Hiroshi KATAYAMA

■ 所属/専攻 経営システム工学

経営システム工学専攻

■ 専門分野

プロダクションマネジメント
生産管理学

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片山博 教授/学科主任

Q 早稻田大学の経営システム工学科は有名ですね。

早稻田大学の経営システム工学科はこの分野で日本では一番歴史のある、また最大級の規模を誇る学科です。特に教員の再生産では総本山といってもよく、経営システム工学を教える先生を多数輩出し、様々な大学において人材育成に携わっています。OB・OGも10,000人を超え、あらゆる分野に進出し、また多くの企業の中枢を担っています。

ビジネス界のキャリアパスを見ると、入社して10〜15年は上司の下で業績を上げていけばいいという段階ですが、その後、自分がリーダーになって部下を使う、というステージがやってきます。30代40代になって管理職の話が出てきたときに、経営システム工学のような分野に造詣が深いかどうかで大きな差がつくことは間違いありません。若いときに基本的な考え方を身につけておくことは大きな意味があると思います。

Q 片山先生のご専門についてお聞かせください。

私が運営している「生産管理学研究室」は経営システム工学科がスタートしたとき(当時は工業経営学科)にできた最初の研究室で、私で3代目になります。「ものづくり」は当時、アメリカに追いつくことがすべてという時代で、どうやっていい製品を安く効率よく生産するか、産官学一体で推進してきたのです。現代は生産が大きく海外にシフトする中で、世界を舞台にものづくりの管理ができるグローバルな人材が求められています。

「ものづくり」は、原材料や部品を集めてきて処理したり、組み立てればいいというものではなく、よい原材料、部品に加えて、人間、設備、メソッド(管理の方法を含む)などがバランス良く揃っていなければなりません。その意味では日本は世界のトップクラスにあります。

世界で通じるニッポンの「KAIZEN(改善)」

例えば「KAIZEN(改善)」という言葉は今や世界の言葉で、英語ではContinuous Improvementというふうに、継続して実施するというニュアンスも含まれています。日本では組織がフラットなので、全員が問題を理解して一緒に悩んで一緒に考える、ということに抵抗はありませんが、海外では文化風土が違うので、自然に教えあったり助けあったりすることが難しい。その代わり、物事をドキュメント化する力、マニュアル化する力はあるのでちゃんと定義すれば理解してくれます。「カイゼン」など、日本のやり方はそのままでは理解されないことも多く、海外ではその国の文化・風土に合わせていくことが大切になってきます。

Q ものづくりのグローバル化はすごいですね。

現代のものづくりはまさにグローバル化していて生産拠点が世界各地に分散しています。そして、近年の度重なる災害で明らかになりましたが、その中の1つでもダウンすると全体に影響します。例えば自動車の生産では、1つの部品が生産できなくなると全体がストップしてしまうのです。こうした状況の中で大切になってくるのがリカバリー能力です。日本には力のある中小企業が多く、その能力が高いといわれていますが、災害などの異常事態がおこったときにいかに迅速にリカバリーするか、また、そのような事態がおこっても生産がストップしない仕組みはどうあるべきかが問われているのです。

日本発の管理技術が世界で求められている

Q 管理の技術はいろんな分野で活用できそうですね。

生産管理の技術もこれからは他分野で活用される時代になると思います。例えば医療分野や介護の分野などにカイゼンの技術は大いに活用できると思います。特にサービスをどう設計しどう提供するかを検討する際には、生産現場で培ったミスを起こさない方法論が大きく貢献することでしょう。このように、これからは管理技術の異業種・異分野への移転が大きな力になると私は確信しています。

今や日本発の管理技術は世界から求められていますが、他方、このような技術に造詣の深い優秀なリーダーが絶対的に不足しています。そういう人材(人財)を大量に生み出し、育てていく使命が私たちの学科にあるのです。

まず両親に仕事のことを聞いてみよう

Q 受験生にメッセージをお願いします。

受験生の皆さんには、経営システム工学科のことを知りたいと思ったら、一番の近道はまず自分のお父さん(あるいはお母さん)にどんな仕事をしているのか、今何に悩んでいるのかを聞いてみることです。そうするとご両親の仕事の重みがわかります。楽しさと苦しさも少しわかると思います。その時に抱いた感覚を大事にして、将来の仕事のためになる何かを学びたいと思ったら、ぜひ経営システム工学科を受けに来て下さい。