早稲田大学創造理工学部 経営システム工学科
経営システム工学研究室 写真

経営システム工学科
学部3年 小松原研究室

根岸 友希

NEGISHI Yuki

2021年度インタビュー

人間工学の知見で、不公平や理不尽を減らしたい

Q 経営システム工学科を志望した理由は
人間工学に興味があって、経営システム工学科を受験しました。この分野を志したきっかけは、高校の頃に担当していた生徒会の会計業務でした。予算を組んで、お金を集めて収支報告するというのが会計の仕事なのですが、その収支報告に記載ミスが多く、「なんとかならないかな」と書類の記載欄の改善をしてミスなく記入できるフォーマットを作ったのですが、その過程で人が扱いやすいものをつくることに興味が湧き、人間工学の分野ならやりたいことができそうだなと思ったのです。

Q どのような研究をしてきたいですか?
研究室に配属されたばかりで、論文を読んだり、先行事例を調べたりしているところなので、まだ明確ではないのですが、漠然と基礎研究に携わりたいなと思っています。
「経営システム工学専門実習」という授業で、身体的特性と設備のサイズ、位置、高さの関係について調べたことがありました。その授業では、まず、自分の身体の各部位を測り、特徴を把握します。腕を横に広げた際の長さを測ると、だいたい身長と同じくらいであるというのは、よく知られていますが、本当に同じくらいでちょっと感動しました(笑)。その後、設備の高さ、例えばキッチンの高さや、電気などのスイッチの高さやドアの高さを調べました。
そこでわかったのは、小さい人ではなく大きい人に合わせて、あらゆるものが作られているということ。キッチンを例に取ると、背が高い人が低いキッチンに合わせて使用するのは難しいが、小さい人は踏み台に乗れば良いという理屈で作られているのです。
 とはいえ私のような背の小さい側からすると、どこにでも踏み台があるわけではないし、少し理不尽に感じました。そんな不公平感が少しでも拭えるような発見ができたらと思っています。

将来は生活を支えるような仕事を

Q 他に印象に残った授業はありますか?
1年生の時の「経営システム工学入門実験」でしょうか。この授業は経シスの、さまざまな分野の初歩を楽しく感じられる人気の授業です。
その中でも面白かったのが、紙飛行機を作る授業。組み立て式の飛行機の型紙が与えられて、それをもとに画用紙を切り取り、組み立てて実際に飛ばすまで作業時間と飛行距離が評価の対象になりました。
型紙を画用紙に転写し、ハサミで切り取るのですが、画用紙の中で詰めて部品を作ろうとすると、切り取るのが難しくなってしまいます。かといって画用紙を使う量が多いと減点対象になるので、バランスが重要になります。トレードオフを体感させるのが目的だったのかなと今では思います。
飲食店の経営シミュレーションの課題もありました。あるエリアに飲食店を出す計画を立てて、席数やメニューを決めて、収支を競います。私たちのグループはかき氷店の計画を立てたのですが、結果は赤字でした。原価が低いので良いかと思ったのですが、甘かったですね(笑)。

Q 将来はどのようになっていきたいですか
まだ漠然としているのですが、大学院に進学するにせよ就職するにせよ、生活を支えるような企業で働きたいと思っています。
今、スーパーでアルバイトをしているのですが、そこではミールキットや配送サービスをはじめとして、生活を成り立たせるための仕掛けがあって、そこで人間工学の知見で役立てたら嬉しいなと考えています。

Q 経営システム工学科を目指すひとにひとこと。
入学後のことですが、1年生の理工学基礎実験「通称きそじ」は絶対に落としてはダメです! 1年生で落とすと、2年生時には同じ時間に別の必修があるので、3年生までついて回ることになってしまいます。
あとはこのWEBサイトなど、調べられるところで調べて、少しでも興味のあることを見つけておくと、授業に身が入ると思います。経シスは幅広い分野を扱っているので、必ずなにかやりたいことが見つかるはずなので、下調べはしっかりするといいですよ。