早稲田大学創造理工学部 経営システム工学科
経営システム工学研究室 写真

経営システム工学専攻
修士1年 菱⼭研究室

檜物 ⼤輝

HIMONO Daiki

2021年度インタビュー

さまざまな技術を経営・マネジメントの視点からみる

Q 研究内容を教えてください。
私の在籍している菱山研究室は知識情報処理を専門としているのですが、私はその中でもマルチエージェントシミュレーションという技術を用いた研究をしています。
これはシミュレーションの一種で、エージェントという様々な行動をする主体をプログラムによって記述し、仮想空間で行動させます。それぞれ特徴の違うエージェントがどのような振る舞いをするかを知ることにより、さまざまな問題の解決アプローチを見出していくのです。
具体的な対象としては、「社会インパクト投資」を扱っています。これは近年注目を集めているSDGsやESG投資といった社会貢献を重視する企業活動の流れから出てきたもので、投資を従来的な財務的なリターンはもちろん、持続可能性や社会的責任との両立を目指すものです。この概念自体が日本ではまだ知れ渡っていないので、どうすれば広がっていくのかをマルチエージェントシミュレーションによって明らかにできればと思っています。

Q 研究成果は出ていますか?
投資をする側と受ける側をどのようにマッチングさせるかという観点で研究を進めていましたが、その二者はなかなか直接は結びつかない、そのハブとなる第三者の存在が鍵になりそうなデータが出てきています。まだまだ研究途中なので、確たる事は言えませんが、この調子で進めていきたいと思っています。

※財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のこと

2年生時に基幹理工学部より転科して「経シス」へ

Q 経営システム工学科を志望した理由は?
実は、入学時には基幹理工学部に在籍していました。基幹理工学部は学系別入試を採用していて、2年生時に所属学科を決めることになっています。私は宇宙や自動車等の乗り物に興味があったので、機械科学・航空宇宙学科を選ぶことができる学系2に入学しました。
学系別の授業や、学部共通の実験科目を受けているうちに、少しずつ違和感というか、自分が思っているような勉強はできないかもしれないという思いが強くなりました。私は機械や宇宙は好きですが、その要素技術を学び、エンジニアになりたいのではないということに気づいてしまったのです。
このままでいいのかと悶々としているときに、サークルの先輩が創造理工の総合機械工学科から経営システム工学科に「転科」したという話を聞きつけ、その先輩に相談をしてみました。すると、彼も私と同じように、技術を極めたいのではないということ、さらに経営システムなら広く「経営」という視点からさまざまな産業に関われるという話を聞いて、私も思い切って転科試験を受けてみたのです。
結果的には大正解でした。私がやりたかったのは、技術を経営・マネジメントの視点からみることだったのだと感じました。

Q 転科してみてどうですか?
1年生のときにとった単位も卒業単位に算入できたので、その点は無駄にならずに助かりました。同じ大学内で転科するメリットと言えるでしょう。ただ、1年生時の必修科目が取れていないので、2年生のときは大変でしたね。
これから進学する皆さんは、このホームページのような大学から出ている情報をしっかり調べて、なるべく希望に近い学部学科を選ぶ事をお勧めします。私は基幹理工学部にいたからこそわかったこともあるので、後悔はしていません。でも、もし受験の前に戻れるなら、絶対に経シスを受けると思うので笑。
とは言え、受験のタイミングでやりたいことが明確という人は少ないとおもいます。そういう人にも経シスはお勧めです。扱う分野は多岐に渡りますし、自分で決めることもできる。技術だけでなく、ビジネスやマネジメントにも興味があるという人は、是非入ってきて欲しいなと思います。