人は実社会で大小問わず、不確実性を考慮しながら意思決定を行っています。不確実性は、ある事象の実現が確率的に変化するものから、言語情報解釈や直感など、個々の人に内在する柔軟で、時に曖昧なものまで様々です。また意思決定の主な手法として、実問題を抽象化し、数理モデルへと帰着させ、最適化で得られる解を評価・分析する一連の流れが存在します。私の研究室ではこのような不確実性下での意思決定に関し、モデリングから意思決定支援まで幅広い研究を行っています。特に金融工学、サプライチェーンマネジメント、観光科学、人の行動分析など、多種多様な評価基準が存在する状況を研究対象としています。適切な意思決定支援を行うために、不確実性をどのようにモデリングするか、何を目的とした意思決定を行うのか、解の精度はどこまで必要なのか、意思決定までにどれだけ時間がかけられるかなど、事象を的確にとらえる鋭い視点と、問題全体をとらえる大局観を持った人財を育成したい、と考えています。
学部4年
小須田 祐介
蓮池研究室では、さまざまな分野に対して、数理モデルを作成し、最適な意思決定を導き出すといった研究を行っています。その中で、人の購買行動や閲覧行動から次の購買行動を予測し、その人に推薦する商品を決定するといったことを研究しています。私たちの代が蓮池研究室一期生であるため、良くも悪くも先輩が多くありません。そのおかげもあってか、4月に入ってきた大学院生を含め、研究室での活動などでもアットホームな感じで仲良くやっています。これから入ってくる人も含め、仲良く、楽しく研究活動をしていこうと思います。
修士1年
平山 紗羅
私は人の移動履歴の推定に関する研究をしています。都市開発やマーケティング戦略など、様々な分野で有用とされている人の移動履歴データにおいて、個人情報保護やデータの精度に関する問題を解決した移動履歴データを作成する手法を提案し、より多くの領域や使い手に活用されることに貢献したいと考えています。 蓮池研は、研究とその他の活動の両方を充実させることに重きを置くため、研究するときは没頭し、そうでないときはメンバーで遊んだりプライベートを充実させるなど、メリハリを重要視する風潮が根付いています。
学部4年
松田 脩平
私は医療機器のリスク情報開示についてゲーム理論を用いて研究しています。医療機器のリスク情報開示については、未だ明確な規制がないため、リスク情報を得ないまま患者が使用してしまう可能性があります。しかしながら、企業にリスク情報を全て開示することを求めると、企業にとってデメリットになる場合があります。そのため、プレイヤーを企業と患者としたゲーム理論を用いて、両者にとって有益な開示量を求めたいと考えています。
学部4年
楊羽 希
私は相場の地合いや投資家の情緒を表す投資家センチメントについて研究しています。古典派のファイナンス理論では、すべての人を合理的思考のみに基づいて行動する合理的経済人と見なしています。しかし、行動ファイナンスの理論では、投資家のセンチメントも株価を決定する要因の一つだと考えられています。私の研究テーマは統計的な手法を利用し、曖昧な投資家センチメントを数量化することです。また、蓮池研究室では、研究分野ごとに勉強会が行われていて、先輩達と論議しながらともに成長することもできます。