生産・物流・交通・情報通信・サービスなど、社会基盤となるシステムを設計・開発・運用するための技術体系が経営システム工学です。社会を動かし・支える様々なシステムがその対象であり、扱う範囲も階層も時代とともに拡がっています。しかし、理工系の学生が身に着けるべきシステムマネジメントの考え方を重点的に教えるという学科の基本理念は、前身である工業経営分科が設置された1935年から一貫して変わりません。本学科では、システムの構成要素である人・物・設備・お金・情報の有効活用とベストミックスを図るための専門知識・技術について、最先端の研究と教育を行っています。国内における経営工学の先駆け的な学科であり、ここで学ぶ方法論はあらゆる産業のあらゆる知的生産活動に活用できるものだと思います。
学科を構成する研究室の陣容も、変化する社会課題や産業界からのニーズに応える形で常にアップデートされてきました。基礎理論の探求をベースに、その応用先として様々なシステムを扱う研究室もあれば、地球環境問題のような社会課題が先にあって、その解決のために最適な技術を組み合わせる、といったスタンスの研究室もあります。いずれにせよ、それぞれの教員が専門とする経営システム工学の学理を深めながら、その実社会への応用にも力を入れている、というのが全ての研究室に共通する姿勢です。
学生の皆さんには、問題解決のための様々なアプローチ技術に加えて、答えの用意されていない複雑な社会課題や技術課題に対峙する姿勢や、その中から答えを見つけ出すために考え抜く力をこの経営システム工学科で身につけて欲しいと思います。